「Craft SS World!」

戦国時代を中心とした歴史系サイドストーリー!遅筆です。。。

「ラブライブ!Sengoku Warlord Festival ! ~桶狭間編~」 12.5

「ほんとに一人で大丈夫なん?」「大丈夫ったら大丈夫よ。あんたいつまで私のことを子供扱いする気よ?」「にこっちも大きくなったねえ。」「それが子供扱いって言ってんのよ!」 秋も深まり、いよいよ冬の訪れが迫っている。寒空に映える駿府城の一室で、に…

「ラブライブ!Sengoku Warlord Festival ! ~桶狭間編~」 ⑫

「……ずいぶんとナメられたものね。」 にこは、晴信と氏康をにらみつける。「……ナメる?……矢澤殿を?」と言うと、晴信は肩をすくめてみせる。「ははっ、とんでもない。ナメてなどいるものかよ。なあ、氏康殿?」 晴信は氏康に問いかける。氏康は黙ったままだ…

「ラブライブ!Sengoku Warlord Festival ! ~桶狭間編~」 ⑪

「どっちが切り出してくるかわからんけど」という言葉を枕に、駿河の軍師は当主に告げる。「この三国同盟を結ぶ際に、武田北条は矢澤に対して間違いなく条件をつけてくる。」 会談の数日前の希の言葉は、にこの覚悟を諮るものだった。「条件…?」 にこは希に…

「ラブライブ!Sengoku Warlord Festival ! ~桶狭間編~」 ⑩

──会談の数日前 「今回の会談、にこっちには一人であの二人を相手することになると思うんやけど…。」「はあ!?あんた、出席しないわけ!?」 夏の暑い日だ。じりじりとした暑さはどこへやらといった涼しい雰囲気の声で喋る希と、外の蝉の鳴き声に負けない声…

「ラブライブ!Sengoku Warlord Festival ! ~桶狭間編~」 ⑨

時は戻り駿河の国、善徳寺の一室。 部屋には張りつめた空気が漂っている。それもそのはず、この場には戦国の時代を象徴する三人が互いに対峙していた。 甲斐国当主、「甲斐の虎」の異名を持つ武田晴信。 相模国当主、「相模の獅子」の異名を持つ北条氏康。 …

「ラブライブ!Sengoku Warlord Festival ! ~桶狭間編~」 ⑧

駿河国、善徳寺。 ここでは、三人の戦国の雄が顔を合わせていた。そのうちの一人「海道一の弓取り」矢澤にこは、彼女の家臣、東條希の言葉を思い出していた。 『にこっちには、ある人達に会ってもらうよ。』(……本当に、やってくれたわね。希。) 半年前。「は…

「ラブライブ!Sengoku Warlord Festival ! ~桶狭間編~」 ⑦

再び時は遡り、五年前。 駿河の国の駿府城では、一人の少々が駿河の国の地図を広げ、頭を悩ませていた。「やっかいだわ……。希はいないかしら…。」 少女が呟くと、その少女の背後からすっと影が現れた。「うちのこと呼んだ?」「きゃっ!……ちょっと希、びっく…

「ラブライブ!Sengoku Warlord Festival ! ~桶狭間編~」 ⑥

尾張、那古屋城下。 「凛が…高坂の殿様が指定してきた待ち合わせ場所は…ここね。」 時は初夏。ジリジリと暑くなり始め、田植えが終わった田畑には青々とした光景が広がる。 那古屋城下では、矢澤軍が迫りくる中、領民たちによる今年の豊作を願うお祭りが行わ…

「ラブライブ!Sengoku Warlord Festival ! ~桶狭間編~」 ⑤

時は巻き戻り、二刻前──。 「も~真姫ちゃんと会わせろだなんて!穂乃果ちゃんも無茶なことを言うにゃ。」「ふふっ。でもその割に、凛ちゃんあんまり嫌がってないね。」「そりゃ穂乃果ちゃんにあそこまで言われたら仕方ないにゃ。ほらかよちん、はやく行くよ…

「ラブライブ!Sengoku Warlord Festival ! ~桶狭間編~」 ④

夜。 一人で住むには広い屋敷の一部屋で、少女が文机へ向かっている。この屋敷には少女の他には誰もいない。 少女が部屋の外にいる気配に気付く。「誰?そこに誰かいるの?」「こんばんは、絵里ちゃん。」「穂乃果……。」 部屋に差し込む月光が二人の影を照ら…

「ラブライブ!Sengoku Warlord Festival ! ~桶狭間編~」 ③

「わっかんな~~~い!!!」 清洲城の一室から聞こえてくる大きな声の主は穂乃果だ。 高坂家は今、隣国の東海道矢澤家の侵攻を前に、未曾有の危機を迎えている。穂乃果は海未と、対矢澤の対応を練っているところである。が、「詳しい状況もわからないまま…

「ラブライブ!Sengoku Warlord Festival ! ~桶狭間編~」 ②

「海未ちゃん!朝ごはん食べようよ!」「海未」と呼ばれた女の子は声の主に返事をする。「朝ごはんなんてとっくに済ませましたよ。穂乃果は起きるのが遅すぎます。」海未に声をかけたのは、先程まで行っていた軍議を終えて出てきた穂乃果だ。穂乃果はバツの…

「ラブライブ!Sengoku Warlord Festival ! ~桶狭間編~」 ①

尾張の国、高坂家の治める清洲城は、一人の物見の報告により朝から騒然としていた。 「穂乃果様、ご報告申し上げます!駿河国の矢澤家の軍勢、駿河の国を発進のもよう!矢澤家当主、矢澤にこを総大将としてこの尾張へ侵攻して参ります!」 「なんと……!」 「…

「ラブライブ!Sengoku Warlord Festival ! ~桶狭間編~」 書き出し

かつて、絶望の時代を人々は生きていた。 田畑は荒れ、建物は焼け、飢餓に苦しみ、人が人を傷つけあい、時の有力者達の権力争いに巻き込まれた人々は疲れ果てていた。 「この戦乱はいつ終わるのか。」「いつになったらこの苦しい世界から解放されるのか……。」…

ごあいさつ

やってみたかったSSブログを開設しました。 私は歴史、特に戦国時代が好きで、このブログでは戦国時代を中心とした創作歴史系SSを書いていきたいと思っています。 文章等をまったく書いたことのない素人ですし、超遅筆のため、おそらく更新頻度もかなり低…